送別会

今週はビタに戻り,ICIPEに提出するfinal reportを作っています.研究の結果は,当初のもくろみからは随分外れて,きれいな結果とは言いがたいですが,全然つかえないデータでもなさそうです.もう少し分析すれば,いろいろと面白い事が示唆できると期待しています.

  サイラスが自宅で送別会を開いてくれて,わざわざ鶏をつぶしてくれまして,家族ぐるみで暖かいもてなしをうけましたが,そこでの話題は「テーブルクロスを1400シル(高すぎ)で買わないか」とか「あなたのラジカセの引き取り手がすでに決まっていたのは残念だった.なぜ最初に言ってくれなかったのだ,私がもらうつもりだったのに」とか,「まえにビタに滞在していた日本人の〜さんはいい人だった.帰る時には使っていたものをみんな置いていった」とか,「ぜひまたケニアに戻ってきて欲しい.その際は日本からバレーボールをもってきてくれ」とか,要するに「なんかくれ」というタカリ話ばかりで少し疲れました.わたしの周辺のケニア人はどうしてこう「もらう」ことしか考えない人が多いんでしょうか.いつもですと,内心「オメーなんかに釘一本やるものか」とまったく相手にしないことにしてるんですが,正直,この日は複雑な思いでした.

  親切はしてあたりまえ,されても当たり前,というのがケニア人の気質と言われているようですが,「物」や「お金」に関しては,(少なくとも外国人からは)もらって当然,という一方向の観念しか持っていない人が多い気がします.実際,何でもばらまいて帰っていく外国人が多いのでしょう.ケニアの知人と話していても,あからさまな依存心を平気な顔で押し出してくることがしばしばです.こちらとしてはフザケルナと思うわけですが,一方で,あんまり頑張って変な噂が広まるのもいやなので,ほどほどに「与えて」しまってきたかもしれません.結局,なんでも「交渉」と「妥協」なんですね,この国は.それを楽しみ,喧嘩にならずにうまくやれるかどうか,がケニアでやっていくうえでの鍵かもしれません.

  今週末にビタを引き払い,ナイロビで数日過ごした後,帰国します.次回が最終回になりそうです.


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固く握手をかわすサイラスと私,楽しい送別会ではあったんですけどね.

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この建物の屋根は,調査に使われた浪板で出来ている.

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ツァボ国立公園にて.

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目の据わったはぐれゾウ.この後,追っかけられた.